2026年4月21日・22日のタカラヅカニュース
「知っトクTAKARAZUKA 月組公演『RYOFU』前編・後編」を視聴しました。
公演をより楽しむためのコーナー「知っトクTAKARAZAKA」。
出演は月組スカイレポーターズの佳城葵さんと桃歌雪さん。
今回は脚本・演出の栗田先生へのインタビューを軸に、
お二人の感想も交えながら進みました。
古典『三国志演義』を題材に、史上最強の武将と謳われた「呂布(りょふ)」と中国四大美人の一人「貂蝉(ちょうせん)」の因果な愛憎を描いた月組公演『RYOFU』。
その制作秘話と知っトクポイントを、たっぷりとお届けしていました。
🎤栗田先生インタビュー──作品が生まれるまで
「三国志演義」を題材に選んだ理由
「三国志演義」との出会いは、なんと6〜7年前のこと。
バウホール公演の題材を探していたとき、資料の中で出会ったそうです。
「すごく強い呂布と、すごく悪い董卓(とうたく)、そしてかっこよくて美しい美女・貂蝉(ちょうせん)っていうのが、『あ、すごい宝塚に合いそう』って思った」と栗田先生。
ただ、バウよりも大劇場・大人数でこそ活きると感じ、頭の片隅に置きながら熟成させてきた題材でした。
そして鳳月杏さんと天紫珠李さんが月組トップ体制に。
「このお二人なら呂布と貂蝉はバッチリ合うと思い至り、
劇団に『ぜひやりたい』と自分で言いに行きました」
6〜7年越しの熱が、ついに大舞台で実を結んだのです。
呂布を主人公にした理由
栗田先生が創作意欲をかき立てられるのは、人物の動機や背景に「なんで?」という疑問を感じたとき。
一般的な『三国志演義』では、呂布は赤兎馬(せきとば)や美女(貂蝉)という目先の欲で主君を裏切る「短絡的な人物」として描かれます。
「そうじゃない呂布を描けたとき、きっと面白いストーリーになる」──その確信のもと、独自のバックボーンを持つ呂布像を模索。
そして”貂蝉が美人だったから惚れて主君を殺した”ではない何かを生み出すために、雪蓮(せつれん)というオリジナルキャラクターが誕生しました。
オリジナルキャラクター・雪蓮(せつれん)について
雪蓮は丁原(ていげん)の娘として描かれています。何不自由なく育ったお嬢様でありながら、兄の戦死を聞いて「私も馬を並べて共に戦いたかった」と感じるような、”人のためにしたい”という強い根っこを持つ女性です。
記憶を失った後も、貂蝉のため、世話になった王允家族のため、そして世の中のために悪党・董卓を討ちに行く──一本筋の通ったキャラクター。
「天紫(珠李)さんにハマるだろうなというのもあって、そういうキャラクターにしています」と栗田先生。
天紫さんが演じることを前提に生み出されたようですね。
董卓(とうたく)──ただの”悪役”ではない
董卓についても、栗田先生は「なぜこんなことをしたのか」という動機を深く掘り下げています。
一般的に「漢王朝を倒した欲得の権化」として描かれる董卓ですが、先生はそこに疑問を持ちました。
「ただの欲得だけの人が、一時的にとはいえ洛陽(らくよう)を乗っ取れたとはちょっと思えなくて。何か人がついていきたくなるような魅力、考え方がきっとあったんじゃないかなと思って」
調べていくと、「董卓がこんないいことをしていた」という資料も多く見つかったそうです。
社会を急激に変えようとしたことによる”歪み”という解釈は、秦の始皇帝や漫画『キングダム』の描写も参考にしたとか。
さらに稽古中、董卓役の風間柚乃さんに伝えたのが、『DEATH NOTE(デスノート)』の夜神月のイメージ。
熱狂的な信念と悲劇的な末路を思い浮かべると、本作の董卓像がより立体的に見えてくるかもしれません。
こだわりのシーン:「ご乱心の場面」
「それがやりたくてこの作品を書いたみたいなぐらい、本当に思い入れがあるシーン」と栗田先生が語るのが、「ご乱心の場面」です。
歌舞伎で言うところの「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」のような残酷美を表現したかったそう。
「ただ、大事なのは哀愁というか、悲しさ、切なさ、寂しさみたいなものをすごく根底に抱えた人が、我も忘れて刀を振り回している……そんな鳳月(杏)さんがきっと色っぽいだろうなと思って。あそこはこだわりのシーンです」
佳城さんも「今回ね、『残酷美』っていうのが最高にいいよね。素敵だよね」と太鼓判を押す、必見のシーンです。
先生が気に入っているセリフ
「いっぱいある」と笑いながら教えてくださった、栗田先生お気に入りのセリフをご紹介します。
- 「黙れ、雑魚が」(呂布)──「あの優しい鳳月さんが絶対言わないであろうセリフ。これ、気に入ってます」
- 「笑止(しょうし)」「刮目(かつもく)せよ」(李粛・礼華はる)
- 「「しかし」とぬかした咎だ」(董卓・風間柚乃)
- 「今宵地獄へ連れゆかん」(貂蝉・天紫珠李)
「なんだか『LINEスタンプ』にできそうなセリフがいっぱいある」と嬉しそうに語ってくださいました。
観劇の際はぜひ耳を澄ませてみてください。
知っトクポイント
知っトクポイント①:「三国志演義」ではなく「三国志炎戯」
まず押さえておきたいのは本作の”世界観の読み方”。タイトルはいわゆる『三国志演義』ではなく、「三国志炎戯」として独自の世界観で描かれています。
そのタイトルを象徴するのが、赤兎馬(せきとば)と炎の精の存在です。
野望を抱く者の心に火をつける魔獣・赤兎馬(一日に千里を駆け、血の汗を流すとされる伝説の名馬)と、人々の強い感情を喰らって生きる炎の精。
栗田先生はその意図をこう語ります。
「赤兎馬が親玉で、炎の精はその眷属たちというイメージ。『大きな感情を喰らって生きる存在』ですね。大劇場という大きなキャパシティの場所で見る時には、日常生活では味わえないような大きな感情を動かしている役者たちを見たい。……私が赤兎馬なのかもしれない(笑)」
婚儀のシーンに紛れ込む炎の精の二人(白河りりさん・花妃舞音さん)は、民たちの「めでたや」という祝福の声の中に存在する“ちょっと異質な存在”。
次のシーンへの緊張感を生み出す巧みな演出です。
「赤兎馬と炎の精がまた素敵なんですよね。赤兎馬は本当に栗田先生だね。桃歌さんは炎の精もしてるしね」(佳城さん)
「炎の精は力強く、呂布さんに対しても感情を表現するのが……。作品の中では『水の精』も出てくるので、その対比だったりとか」(桃歌さん)
影コーラスを担当する彩姫みみさんの力強い歌声も、この場面を引き立てているとのこと。
「稽古場で初めて見たとき、全員がみみちゃんの方を見たからね。すごかったね」(佳城さん)
と語っていました。
知っトクミニポイント:董卓の寝所にある「鏡」
栗田先生から、三国志マニアにはたまらないミニポイントも教えていただきました。
董卓の寝所にそっと置かれた鏡。これは史実のエピソードに基づいています。
「曹操(そうそう)が王允(おういん)から授かった七星宝剣(しちせいほうけん)で董卓の寝込みを襲おうとしたとき、鏡に刀が反射してキラッと光ってしまい、董卓が起きてバレてしまうエピソードがあるんです。だから『きっと董卓のベッドの横には鏡があるはずだ』と思い、置いています」
知っておくと、舞台をさらに深く楽しめるポイントです。
知っトクポイント②:タカラヅカならではの「華やかな中国らしさ」
セット
セット・照明・映像・衣装が見事に合致した今回の舞台。
炎のセットと川のシーンを先生は特に気に入っているそうです。
「川辺のシーンで登場する東屋(あずまや)は川のシーンだけでなく、結婚式やご乱心のシーンでも使っていて、でも使い回しているって気づかれないように、各シーン違って見えるようにデザインしていただいた。國包先生はアイディアマンです」
衣装
今回の甲冑(かっちゅう)は、宝塚が初めて発注した中国のメーカー製。
ジャッキー・チェンさんの衣装も手がける本格的な工房とのことで、重さも厚さもかなり改善していただいたとはいえ、通常の衣装よりずっと重い本格仕様。
それを鳳月さんが、翎子(りんず:清朝の礼帽に飾るクジャクの羽根)・長い方天画戟(ほうてんげき)・甲冑・マントのフル装備で登場するプロローグは、まさに圧巻です。
衣装デザインについては、「時代考証通り」と「時代考証を無視してとにかく華やか」の2パターンを加藤先生が提案。「宝塚でやる、中国時代劇でしかできない華やかさが欲しい」という栗田先生の言葉のもと、華やかさを優先した後者が採用されました。
舞台を彩る衣装について、スカレポのお二人が印象を語っていました。
「娘役は舞姫(まいひめ)みんな色違いで、銀橋から花道にかけてずらっと並んで……。中国語で歌わせていただいているので、中国らしい場面ですよね」(桃歌さん)
「甲冑は今すぐ劇場を出て戦いに行ける状況になっているぐらいしっかりしているんですよ。呂布が着ていらっしゃるものは本当豪華で……」(佳城さん)
「よくあれで戦っていらっしゃるなって」(桃歌さん)
「重量もそうだけど、それを軽々と動かして、槍(やり)を使ってされているお姿は、本当に勇ましすぎて……怖いですね(笑)」(佳城さん)
華やかさと迫力、そのどちらもが詰まった舞台。
実際に観たとき、どんな風に感じるのか、ますます楽しみになりますね。
殺陣(たて)
殺陣を担当するのは諸鍛冶先生。宝塚では以前『悪魔城ドラキュラ』を手がけ、外部舞台も多数担当されています。
「一つ一つの動きが大きく華やかで、ケレン味のある殺陣をつけてくださる先生」という印象から、今回オファーされました。
月組では経験したことのない動きに苦戦しながらも、「ものすごく楽しくて」と佳城さん。
刀を持ったことがない新人まで全員で取り組んだことで、強い思い入れのある殺陣に仕上がったそうです。
プロローグ
特に大変だったのがプロローグ。殺陣と振付の融合シーンで、麻咲梨乃先生方・諸鍛冶先生・生徒全員が協力して作り上げました。
「盆(ぼん)が回りながら、引き役も移動しながら、その周りをぐるぐる炎の精がすごいスピードで回る……めちゃくちゃ難しいんですよね。炎の精のリーダーである妃純凛さんと桃歌さんがよくみんなをまとめてくれて、成立しております」(栗田先生)
回転する舞台の上で、出演者たちが位置を変えつつ、さらにその周囲を炎の精が高速で舞う――想像するだけでも難易度の高さが伝わってきます。
「盆が回りながら戦ったりとかね」(桃歌さん)
「炎の精の盆回りも綺麗よ」(佳城さん)
ダイナミックな動きの中にも、美しさがしっかりと宿っているのが印象的。
緻密に計算された動きとチームワークがあってこそ成り立つ、見応えたっぷりのシーンになっていそうです。
知っトクポイント③:音楽
4作目のタッグとなる手島先生が手がける楽曲。今回は栗田先生がしっかり歌詞を用意した状態で作曲していただいたそうです。
中国時代劇らしさは「梅下逢君(ばいかほうくん)」の二人のデュエットや、「蓮貂奇譚(れんちょうきたん)」という中国語歌詞の歌で表現。
主題歌は「闇を感じさせながらもアグレッシブで熱い、ピカレスク(悪漢)らしい一曲」に仕上がっているそうです。
そして桃歌さんが語ってくれた、とっておきのエピソードが心に刺さります。
「私がお母さんの歌稽古をしていたとき、手島先生に『この曲、何の曲かわかる?』と聞かれて。プロローグの、ちなつさん(鳳月杏さん)が歌ってらっしゃるんです!」
歌詞は違えど、同じメロディーで紡がれる”母の歌”とプロローグで獣化した呂布の歌。
その繋がりに気づいた時の感動は格別です。
「ここでリンクするんだ、と思って。本当に天才ですね。そう思ってぜひ聞いてください」(桃歌さん)
「化け物バージョンってことなんだよね、プロローグが。切ない」(佳城さん)
知っておくとさらに心に刺さるポイントです!
月組への印象
最後に、稽古を通じて感じた月組の印象も語ってくださいました。
「鳳月さんが誰よりもストイックであり、かつ朗らかなので、みんながその背中を見ながらのびのびと芸を研鑽していっているような、すごくいい雰囲気です」
特に印象的だったのが、戴冠式や結婚式の場面でのガヤ芝居。
「それぞれの人生の中でちゃんと反応ができているかによって、緊迫感だったり、場の緩急がぐっと分かりやすくなる。そういうお芝居が、月組さんは『さすがだな』と思って楽しく稽古していました」
一人ひとりが役として“生きている”からこそ、舞台全体に厚みが生まれる――その実力の高さがうかがえます。
「嬉しいですね!ガヤ芝居も月組結構好きなんです。いつだってみんな考えていて、名前から、出身から……。そう言っていただけるのは大変嬉しいね」(佳城さん)
「作りがいがありますね」(桃歌さん)
細部にまで心を配り、舞台を作り上げていく月組の魅力。
今回の公演でも、その積み重ねがどんな形で表れるのか、ますます期待が高まります。
6〜7年かけて熟成された物語、宝塚のためだけに選ばれた華やかな衣装、初起用の殺陣師による迫力の立ち回り、そして楽曲に込められた繊細なリンク……。
「先生の作品にかける熱量は、本当に私たちにものすごく伝わるものがあった」(佳城さん)という言葉の通り、栗田先生の情熱が隅々まで詰まった月組公演『RYOFU』。
そのすべてが重なったとき、どれほどの熱を帯びた舞台になるのか――想像するだけで胸が高鳴りますね。
(参考)タカラヅカニュース〈タカラヅカ・スカイ・ステージ放送〉「知っトクTAKARAZUKA 月組公演『RYOFU』前編・後編」
\🌙月組 大劇場公演🔥/
\🌙月組 東京建物Brillia HALL箕面公演🎬/
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